地方巡業の支度部屋

本場所はもちろんのこと、地方巡業においても力士が使う支度部屋は非常に重要です。

今回は地方巡業の支度部屋についてご紹介したいと思います。

支度部屋として利用する場所は?

土俵が設営されているアリーナ部分に隣接している武道場や剣道場などを利用します。

このような手頃な大きさの部屋がない場合には併設されていることの多いサブアリーナを支度部屋として割り当てることになります。

支度部屋は言い換えれば力士の更衣室という意味合いもありますので、まわしを締めたり外したりしている時にお客様が立ち入ることのないよう、お客様の動線スペースから離れた場所に設けることが多いと思います。

地方巡業を開催するにあたっては、会場選びの際に支度部屋として使えそうな部屋や場所があるかも重要なチェック項目となります。

支度部屋の設営

土俵が設営されている会場部分と同様に、支度部屋や、会場と支度部屋をつなぐ通路にも床にビニールシートなどを使って養生します。

この養生をしておかないと、巡業終了後には会場内が砂まみれになっていて、撤収作業の時間がとんでもないことになるんですね。

支度部屋の床を養生した後は、適当なタイミングで空きダンボールを使って、支度部屋のいたるところにゴミ箱を設置していきます。設置する数は大雑把に言うなら関取2~3人につき、1セットのゴミ箱となります。これは燃えるゴミや燃えないゴミなど分別収集の必要に応じてゴミ箱1セットを用意します。

食べ終わった弁当箱や飲み終えたペットボトル、使い終わったテーピングや足袋などがドンドン捨てられていきますので、少なくとも1時間に1回はゴミ袋の交換をして、力士の皆さんには快適な支度部屋を提供し続けることになります。

開場直後は戦場

おおむねお客様のための開場時間は午前8時という巡業が多いのですが、午前8時開場の場合ですと、力士の会場入りは午前6時頃から始まります。

勧進元が手配したバスで宿泊しているホテルから会場へ移動してくる力士が多いのですが、中にはタクシーで会場入する力士もかなりいます。

その中でも三役以上の関取は協会からの要請で関取1人につきタクシー1台を手配することになっていますが、開場直後に場所入りしてくる力士もタクシーを使う人が多いですね。

その理由は自分が付け人として付いている関取のために少しでも支度部屋の良い場所を確保しようとするためです。

そして、支度部屋の中に関取の場所を確保した後は、必要に応じてスタッフに折りたたみ椅子などを借りに来たりして、関取用のスペース作りが進められていきます。

この支度部屋の場所取りが落ち着くまでの間はちょっとした戦場状態になっています。

もちろん、これは開場前までのことで、開場する頃には戦場を駆け回っていた力士達が設営されたばかりの真新しい土俵の上で稽古を始めています。

支度部屋に入るには?

当然、力士を初めとする協会関係者は全員支度部屋に出入り出来ます。

そして巡業スタッフも基本的には支度部屋に出入りできますが、前述したようにゴミ袋の交換などあくまでも業務を装って(笑)、出入りすることがほとんどです。

しかし、お客様が支度部屋に入ることは原則として禁止されています。これについての理由はお分かりいただけるかと思います。

ただし、これはあくまでも「原則」です。

実際にはご当地力士の親兄弟・親戚や友人などが激励にくることも多々あります。そのような面会希望者の方のために一定の時間帯を設けて面会希望者の受付をします。

ここで面会希望力士の四股名やその力士との関係を申込書に記載すると、その力士に確認を取った上で支度部屋の中で面会することが可能になります。

もちろん、「大ファンなんです!」という理由だけで面会できるかどうかは分かりません。応じてくれる力士もいるかもしれませんが、ほぼ無理だと思って面会希望すらしない方が良いと思います。

ご贔屓の力士を会場内で見つけてサインや写真撮影をお願いする方が巡業らしい一コマになるのではないでしょうか。

横綱・大関は別格!

本場所の支度部屋の場合、横綱は一番奥のスペースを使うというのは有名な話ですね。

そして地方巡業の場合でも、横綱は支度部屋の中でも一番良いスペースを広く割り当てられます。そして次に大関が良い場所を使うというのも本場所と同様です。

小さめの会議室のような部屋がそれなりに備わっている会場では、横綱と大関の支度部屋には個室が充てがわれます。

他にも力士が稽古や取組を終えた後はシャワーで汗や砂を流しますが、シャワー室も横綱・大関専用のシャワー室と三役以下全ての力士が使うシャワー室とに分けられています。

巡業に参加する横綱・大関は5~6人ぐらいですが、その限られた関取だけが使えるシャワー室があるというのは番付社会の特権と厳しさが象徴されていると思います。

三役以下の力士用のシャワー室がいつも混雑しているのに対して、横綱・大関専用のシャワー室が閑散としていても、そのシャワー室をコッソリ使おうとする力士がいないのはさすがですね。

最後に

花道から支度部屋までの通路にファンが溢れていることで有名なのは、春場所が開催される大阪府立体育館ですよね。

今から約10年ほど前ですが、まだ現役の関取だった式秀親方(当時の北桜関)が花道から支度部屋までの通路に押し寄せてきたファンの方々とハイタッチをしながら、サインや写真撮影に応じていたところを目の当たりにしたことがあります。

サインや写真撮影を求める人がいなくなった頃に「まだという方はおられませんか?」「おられないようですね」「それでは、みなさん、ごきげんよう!」と言い残して颯爽と支度部屋に入っていく姿はとてもかっこよくて、今でも忘れられません。


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