消防署との関係

大きな施設で大勢の人が集まるイベントを開催するにあたっては、消防署との関わりがとても多くなります。

そして、大相撲の地方巡業開催にあたっても消防署とは親密に関わります。

今回は消防署とどのような打ち合わせや申請を経て巡業が開催されるのかをご紹介したいと思います。

座席表との関係

土俵設営の業者さんに作ってもらった座席表に満足できたら、それを会場を所轄する消防署に見てもらい必要な許可や指導を受けることになります。

これは消防法やその他条例に基づいて施設固有の最大収容人員が定められているためです。

収容人員の算出方法

これは立ち見席があるのか、固定された座席があるのか等によって算出方法が変わります。

算出の基礎となる数字は床面積と施設に出入りする人数ですね。これは来場者数のみならず、その施設で勤務している従業者の数も加算されます。

消防法の通則によれば、大相撲の地方巡業開催にあたっては

(床面積) ÷ 0.5m

で算出されるのだと思います。

両国国技館の最大収容人員は?

例えば両国国技館の最大収容人員は11098人となっていますが、これはもう大相撲の本場所開催のために作られていますから、1万人を大きく超える収容人員を誇るのも納得です。

最大収容人員と使用許可

このようにして施設の収容人員に収まるように座席表を組むことになるわけですが、マス席を設置する場合には、自治体が定める条例によって通路部分をどのように確保しないといけないかなどが細かく定められています。

これについては開催に支障が生じないよう管轄の消防署で関連法令などを参照していただいたり、近隣で地方巡業を開催した実績のある自治体などにも問い合わせをしていただくなど、万全の体制で開催できるよう使用許可の要件を調べてもらえます。

そして無事に要件を満たせば使用許可が下りることになります。

使用許可が下りたら

消防署に提出した座席表をもとにした施設の使用許可が出てはじめて座席表が確定します。

座席表が確定するまでは、当然のことながらチケットの印刷を手配することも出来ません。もし確定前に座席表の改善を求められたら、すでに印刷したチケットが無駄になることがあるからです。

また、使用許可が取れていないと、巡業の開催がそもそも不可能ですので、相撲協会との契約をするまでに使用許可を取っておく必要があります。

避難経路の確保と確認

開催当日はとにかく無事に打ち出しを迎えられるよう最善を尽くすことになりますが、もし開催中に地震や火災が発生したら、大惨事になる恐れがあります。

そこで座席のエリアごとに消防署から避難出口を予め指示していただいたり、そのために必要なスタッフの配備などの打ち合わせも不可欠です。

わたしが開催を予定している巡業では消防署員の方にも数名会場内に常駐していただき、万が一の場合には対応していただけることになっています。

待機医師の手配と救急搬送体制の確保

勧進元としては、来場者が巡業を満喫して無事に帰路についていただくことはもちろんのこと、巡業に参加していただく力士の方々が無事に土俵を下りて次の巡業開催地へ向かっていただくことを願っています。

しかし、それでも開催中には何が起こるか分かりません。

先日、舞鶴巡業において土俵上で挨拶をしていた市長さんが急に倒れてしまうという痛ましい事案がありましたが、あの時は土俵付近に偶然居合わせた女医さんが対応されておられました。

あの対応は本当に素晴らしいものだと思います。協会も人命に関わる緊急時には女人禁制は徹底しないと発表されています。

もっとも舞鶴の1件については、本当に例外的なものだと思うのです。

というのも、実際に巡業を開催するにあたり、協会からは会場内に常駐する待機医師の手配を事前に依頼されていますし、舞鶴でも待機医師の手配はされていたはずです。

さらに所轄の消防署とも事前の打ち合わせで会場外に救急車を常駐していただいたり、女性隊員の方が救急活動に従事されることも当然伝えられています。救急搬送となった場合には、待機医師の指示に基づき、医師を派遣していただいた病院へ搬送するのか?他の病院へ搬送することになるのか?などを綿密に打ち合わせします。

そして予め打ち合わせをした上で、なお重要なのは、基本や原則にとらわれることなく、その場において医師や救急隊員の最善の判断にお任せするということです。

わたしが来年開催を予定している巡業では待機医師の他にも看護師の方にも常駐していただき、さらに救急隊員の方に数名常駐していただいた上で、会場外に救急車の待機をお願いしています。


このように地方巡業の開催にあたっては様々な面で消防署の協力は不可欠です。ご来場された方全員が笑顔で会場を後にしていただけるよう今後も最善を尽くしていきます。