今回もまた前回の記事の続きです。
いつの間にやら三部作構成になっていますが、ご覧ください。
ファンが殺到する?
宿泊をお願いしているホテル側が一番気にしているのが、お目当ての力士に会いたい一心でホテルにやって来るお客さんのことです。
力士がそれぞれの部屋にいる限りは、訪れてくるファンの方々もそれ以上はどうしようもありませんが、ひとたび力士が外出しようとして部屋を出てフロント付近に出てくると、ファンの方々が押し寄せてくるかもしれません。
もしファンの方々が殺到してしまい、混乱が起きると、ホテルの方々だけで対応するのは難しいですよね?
そもそも地方巡業では勧進元が宿泊先を手配するのに四苦八苦するのが現状ですから、ファンの方々が力士の宿泊先をある程度特定することは容易です。
しかし、だからと言って宿泊先のホテルにまで訪れていくというのは、控えていただければなと思います。
なぜなら、過酷な長時間の移動が毎日のように続く地方巡業の中でホテルにチェックインしてから翌朝会場に向かうまでの時間は全ての力士にとって貴重なプライベートなものだからです。
ホテルでの食事を終えて、まだ空腹が満たされていない力士の多くは外食に出掛けます。
そのようなところを捕まえてサインや写真撮影をお願いするのは、なんだか気の毒に思ってしまいます。
地方巡業で訪れた地で束の間の休息時間にご当地グルメなどの食べ歩きをしたいと考える力士は多いです。
翌日、会場では多くの力士が積極的にファンサービスに応じてくれますので、貴重なプライベートの時間はゆっくり自由にしてあげてほしいなと思うわけです。
周辺の飲食店さんの事情
ファンの方のみならず、周辺の飲食店さんも当然のことながら、力士がどこに泊まるのかは興味を持つところです。
勧進元としても、当然のことですが、宿泊先を公にすることはありません。
ただ、それでもやはり限られた宿泊先を考えると、飲食店を経営されておられる方はその道のプロです。いつどれぐらいの来客数があるかを想定して仕入れや仕込みをしますので、自分の店に巡業に訪れている力士が来るかどうかは気になるところです。
そのような中で誰が勧進元なのかを人づてに聞いて、直接協賛のお申し出をしていただく飲食店さんもあります。
一方で、協賛はせずに言葉は悪いですが、ただひたすら「おこぼれ狙い」の営業方針の飲食店さんもやはりいます。
「放っておいても来てくれるだろう」
そう考えるのも経営者として当然ありだと思います。
ただ勧進元の立場としては、力士の方々が外食されるなら、積極的に協賛していただいた飲食店さんを利用してあげてほしいなと思うわけです。
勧進元の営業としての食べ歩き
「何を贅沢な・・・」と言われるかもしれませんが、力士が泊まるホテル周辺の飲食店さんには勧進元として挨拶を兼ねて一晩に5軒ぐらい食べ歩きをします。
もちろん、これは毎日ではありません。地元開催の勧進元さんなら毎日1軒ずつ訪れることでしょう。
わたしの場合は自宅から車で1時間半ほどかかるところでの開催となりますので、毎日のように営業活動をすることは出来ません。
ましてや、お酒を飲むのが大好きな勧進元夫婦ですので、帰りに車の運転をすることは出来ません。
となると、必然的に巡業のために手配したホテルに宿泊することになるのですが、限られた時間内で色々と挨拶回りをしようとなると、一晩にやはり5軒ぐらいは回る必要が出てきます。
その上で、闇雲に営業の挨拶をすることは控えています。
なぜなら、少なくともわたしが「美味しいな」とか、「接客が良かったな」と思えない飲食店さんを勧進元として力士の方々に薦めることは無責任だと思うからです。
ですから、普通に入店して、お店の方にお勧めのメニューを聞いたりしながら、料理の味をチェックして、その間に店員さんの様子も伺います。
そして、「この店に力士にも来てほしいな」と思えたら、挨拶をすることにしています。
わたしの勧進元としての協賛していただく飲食店さんへのスタンスは割と明確です。
「せっかく縁があって協賛していただいた以上、力士の方々がたくさん訪れて売上をいつも以上にあげてほしい」
というものです。
そのため、特定のジャンルの飲食店さんに何軒も協賛していただくことは控えるようにしています。そして、もし当日力士の方々から近所のお勧めの飲食店さんを聞かれた場合には、ホテルの方々にも協賛店の名前を出してもらうようお願いしています。
ですから、前述したような「おこぼれ狙い」はなかなか実らないのではないかと思ったりもするわけです。
力士の食べる量
基本的に力士はよく食べます。本当にたくさん食べます。
かつて引退直後にバラエティー番組に出演した曙と若乃花が言っていたと思うのですが、「後援者に焼肉屋さんへ連れて行ってもらうと、幕下以下の力士はその店の全メニューをそれぞれ3人前ずつ食べ終えてからでないと自分で好きなメニューを注文出来ない」という話を聞いたことがあります。
そんなに食べた後にまだ食べれるものかな?と思ったものですが、数年前に友人の元力士とお寿司屋さんへ行ったところ、メニューに載っているものを2周して、3周目に入ろうとしたところで、見ている私の方が辛くなって店を後にしました。
それでもまだ満腹になっていないと言うので、2人でカラオケボックスに行って、わたしはビールだけを飲んでいたのですが、その友人はビールを飲みながらパーティーメニューのオードブルを次から次へと頼み、あっという間に完食してしまうのです。
さすがに満腹になったかなと思うと、近所の有名なうどん屋さんへ行くと言い始めます。
私はもはや体力的に同行することは出来ず、その場で解散することにしたのですが、翌日その友人に聞いたところ、〆のうどん屋さんでうどんを5杯食べてから、最後にコンビニでお菓子をたくさん買って帰ったそうです・・・
これだけ食べて、それでいて食べ方が本当にキレイなのも元力士らしいところで、カレイの煮付けなどを食べた後はカレイの姿を残したままの骨だけが残っていました。
その友人は普段働いている居酒屋では、とにかくお客さんから中ジョッキのビールを飲まされていました。
その飲み方というのも、ジョッキをまるでお猪口を持つかのように右手の親指と人差指だけでつまむように持って、ジョッキを口元に付けた瞬間に手首を返して一気に飲むというものです。
わたしが目にした中では一晩で20杯以上お客さんから飲まされていた日もありましたが、本当に良く食べ、良く飲むもんだなーと感心したものです。
ちょっと耳にした残念な話
最近、色々な飲食店さんを回っていますが、そのうちの1軒の焼肉屋さんでとても残念な話を聞きました。
数年前、後援者の方が事前に予約をした上で関取2人とその付け人さんを連れて行ったそうなのですが、「ビックリするぐらい食べるから大量に仕入れて、大量に仕込んでおいてほしい」と予約の時に言っていたらしいのです。
当然のことながらお店の方はお肉を大量に仕入れて、仕込みをして万全の体制で待っていたそうです。
ところが、いざやって来た関取2人は他で食べた後なのか、ほとんど何も食べず、付け人さんも同様だったそうです。
もっとも関取になると食事に関しても完全な自由が与えられています。食べたいだけ食べて、食欲がない時はあまり食べない。関取は若い関取を除けば、体がほぼ完成しています。そしてやはり自己管理を徹底していますので、考えた食べ方をします。
ですから、その時はあまり無理な食べ方をしなかったのでしょうが、予約をした後援者の人は特に謝罪することもなく飲食した分の支払いだけを済ませて店を後にしていったそうです。
これは明らかに後援者の人が悪いですよね。
わざわざ通常営業以上の仕入れや仕込みをするよう予約の時に頼んだなら、それ相応の支払いをすべきだと思います。この後援者の人がやったことは当日キャンセルに等しいものだと思います。
その時に来店した関取2人はどちらもしっかりした人でファンサービスにも積極的だということで有名な2人です。
もし、予約の際に大量に仕入れや仕込みを頼んでいたということを事前に知っていれば、無理をしてでもお店に迷惑が掛からないようにたくさん食べたであろう2人です。
最近、バイキングではドンドン料理を取る。取りすぎて残しても構わない。みたいな趣旨の発言を有名なタレントがしていましたが、わたしはこの考え方には賛同できません。
やはり食べ物を粗末にするようなことはしたくないですし、認めたくないです。みなさんはどうお考えになられますか?
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