地方巡業を開催するとなると、非日常的と思えるようなお金が動き始めていきます。
また一般的な商売と異なり、地方巡業の勧進元というのは知らない人からすると非常に分かりにくい仕事をしているように思われがちです。
ですから、信頼できるパートナーとでも言うべき税理士さんがいるかどうかはとても重要です。
このブログでは、どちらかと言うと周囲の方々に恵まれてここまで進んできたということをお伝えしていますが、今回は痛い目に遭った話になります。
個人的には悔しい思い出になっていますが、ダメな税理士事務所の一例としてお読み下さい。
税理士事務所の担当さん
会社勤めをされている方にとって、税理士さんというのはあまり馴染みのない方かもしれません。家を買ったり、相続があった年の確定申告で相談に乗ってもらう場合以外にはほとんど付き合うことがないかもしれませんね。
では、税理士さんというとどのようなイメージでしょうか?
こればかりは本当に人それぞれです。色々な人がいます。銀行などの金融機関勤務経験のある方や長年税務署に勤務されていた方など、さまざまです。ただ共通しているのは、数字に弱い人はほとんどいないということでしょう。
ところで、税理士事務所に依頼をしたとしても、担当の方が税理士の資格を持っている方になるとは限りません。というのも税理士をサポートする「税理士補助」という方の存在があるからです。
そして、この税理士補助の方が担当になるということが、意外と多いのです。
わたしの会社でも顧問契約を結んだ税理士事務所の担当は税理士補助の方でした。第一印象は真面目そうな方でしたし、特に何か構える必要もなかったので、色々と相談に乗っていただいたのですが、今思えばこれが間違いの元だったのかもしれません。
少なくとも一度は税理士の方としっかり話す機会を持つべきだったと後悔しています。
税理士補助とは?
この税理士補助というのは、基本的には顧客の記帳代行や領収書のチェックなどを税理士の指示の下で行うのが主業務となります。
簡単な話であれば、顧客からの相談に乗ることは可能ですが、原則として「税務相談に乗る」という業務は税理士の独占業務ですので、本格的な相談に乗ることは出来ません。
しかし、実態としては多くの税理士補助の方がこのような相談に乗っているのが現状だと思います。
税理士報酬について
単発的な依頼の場合と顧問契約を結ぶ場合で報酬に違いが出ることはあると思いますが、顧問契約を結ぶ場合の平均的な報酬額は月額でおおよそ1~3万円ぐらいがほとんどだと思います。
その他に決算や記帳代行、年末調整をお願いした場合、別途料金が掛かります。
わたしの場合は、担当の方からの強い勧めもあって、顧問契約と共に記帳代行もお願いすることにしました。月額報酬の総額は約2万円でした。
記帳代行の実態
しかし、この記帳代行は依頼すべきでなかったと本当に後悔しています。
わたしの場合、基本的な帳簿の付け方は身に付けてあります。当然複式帳簿の記入はもちろん読むこともほぼ出来ます。
決算時の減価償却の処理などテクニカルなことはさすがに税理士さんにお任せしないと無理ですが、これ以外のことはほとんどなんでも出来ますし、やってきました。
ただ今回の会社では設立前から相談に乗っていただいたこともあり、記帳代行をお願いすることにしたのですが、時間が経つにつれて、この税理士事務所の異様さが浮き彫りになってきたのです。
基本的には記帳代行をお願いするにあたって必要な資料を毎月提出するのですが、試算表の類など一切提供してくれません。何度も帳簿データや試算表の提出をするよう伝えて、ようやく会社設立から半年を迎える頃に帳簿データや試算表が送られてきました。
そして、その送られてきた資料を見た時は本当にガッカリしました。
まず会社の基本情報とも言うべき資本金の額が間違っているのです。会社設立から見てもらっていたのになぜこのような初歩的なミスをするのか理解に苦しみました。
また役員報酬の支払い時期と支払回数にもミスがありました。さらには7月に納付する源泉徴収額にもミスがありました。税理士事務所に記帳代行を依頼しているにも関わらず、源泉徴収額にミスがあるとは言語道断ですよね。
挙げ句の果てには、ミスを指摘すると言い訳ばかりで、「外注に依頼しているので外注先を信用するしかない」とか本当に呆れて物が言えなくなるようなことばかりを言われました。
仮に外注に依頼するにしても送られてきたデータのチェックをすべきなのにそれを怠っていたわけです。しかも、記帳代行を依頼しているわたしにミスを指摘されるレベルでは果たして記帳代行報酬を払ってまで記帳をお願いする必要はあるでしょうか?
念の為、顧問契約書を確認しましたが、「事務所外に顧客の帳簿資料は出さない」という旨の記載があるにも関わらず外注はOKというのは理解に苦しみます。そのことを指摘すると、「信頼できる記帳代行の会社に依頼しているから安心して大丈夫」という返答が返ってきます。
「その記帳代行の会社では、記帳作業を担当している人がたくさんいるでしょうし、そうなると、うちの情報管理は果たして安全と言えますか? わたしの視点からでは、記帳をお願いしたこの事務所からさらに2つ先のところで実際の記帳が行われていることになりますが、記帳代行報酬を取っておきながら、これではただの記帳代行の仲介業に過ぎませんよ」と指摘すると、「うちの事務所は忙しいから、スタッフが記帳をしている時間の余裕はない」と言い出す始末です。
「有資格者でないことを承知の上で、それでもあなたを担当として信頼して依頼していたのに、杜撰な仕事ばかりされては困ります。一度契約書に契約当事者として書かれている税理士の先生と直接話をさせて下さい」と言ってみましたが、どのような返事が返ってきたか想像は難くないでしょう。
「うちの税理士は多忙だから会えません」
もはや笑うしかありません。結局、数日後この担当から「報酬は請求しないから契約を解除させて下さい」と連絡がありました。
今となっては、契約書に記載されていた税理士が実在するのかすら確証が持てません。恐らくいるんでしょうが・・・
税理士事務所の見分け方
今までにこのようなひどい事務所に遭遇したことがなかったので、驚きの連続でしたが、今回の経験をもとに間違いのない税理士事務所選びのポイントを考えてみました。
- 税理士有資格者としっかり面談する
- 記帳代行を依頼する場合には外注の使用有無
- さらに資料提出から記帳完了までの期間
最低でもこれらのことはしっかりチェックしないといけないと痛感しました。
最後に
これからいよいよお金の動きが激しくなっていくというタイミングで税理士との顧問契約を解除することになったのは痛手です。もっともこんな税理士にこの先お願いするわけにはいかないので早めに契約解除に至ったのは良かったのですが、新たに税理士を探さないといけないというのはかなりの労力を要します。
本筋の仕事以外に力を入れるのは可能な限り避けたいのですが・・・
今回は本当に勉強になりました。
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