地方巡業をPRする最も効果的な媒体の1つがポスターです。
今回はこのポスターに関する裏側についてご紹介してみたいと思います。
ポスターの制作費用と枚数
相撲協会と地方巡業の興行契約を結ぶと、いよいよポスターの制作が開始できます。
相撲協会に所属している力士や親方など協会員の方々の肖像権は全て相撲協会が管理していますので、たとえ勧進元とは言っても自由にポスターを制作することは基本的にできません。
そこで地方巡業を行う場合には、ポスターの制作費用が契約金に含まれていて、契約が成立するとポスターの発注は協会に代わって勧進元が行うことになります。
巡業の契約に含まれているポスターの枚数は350枚で、この枚数まででしたらポスターの制作費用は協会が負担することになっています。そして350枚以上必要な場合には、350枚を超えた分に関しては勧進元の負担となります。
ポスターのデザイン
協会の承諾を得ることが出来ればポスターを自由にデザインすることが可能になりますが、基本的にポスターのデザインは事前に協会が承諾している印刷会社さんのポスター用のデザインを使うことになります。
そのデザインは2種類用意されていて、勧進元が好みに応じてどちらかを選択して制作してもらうことになります。
今回、わたしが開催する行田巡業では横綱・大関が並んでいるタイプのものを選択しました。もう1つのデザインは横綱・大関が正方形の枠の中にそれぞれ収まっていて、その正方形の枠が綺麗に整列しているタイプのものでした。
この力士の写真を使う部分以外については当然のことながら勧進元が自由に使えます。
実際に制作を発注するのは契約後になりますが、実際には契約前からデザイン案について何度か校正データをいただき、実際に発注できるタイミングが来るのを待つことになります。
他に肖像権に絡む媒体としてはチラシやHP、そして当日会場で配布するパンフレットがあります。
このうちチラシやHP用として力士の写真データは無償で借りることが出来るのですが、パンフレットの場合、勧進元が印刷会社を手配する場合には別途使用料が発生することになります。
ポスターに記載する情報
ポスターには主に次の情報を記載します。
・巡業名
・開催日と会場
・チケットの価格と販売方法
・問い合わせ先
このうち、決定までに一番時間が掛かるのはチケットの価格と販売方法の部分です。
チケットの価格は本場所のチケット料金を参考にして、本場所の料金を超えない範囲であれば良いので、割と簡単に決めることができますし、土俵を作って下さる業者さんが会場の規模などを基にして料金案を提示してくれます。
しかし、販売方法は勧進元が決めなければなりません。つまり、いつどこで販売するか?ですね。
この販売方法が決まるまでについては、またいずれ詳しいことを書いてみたいと思います。
校正データの確認
このような基本的な情報については印刷会社の方から送られてくるエクセルに入力して返送することになります。
問題はそれ以外の部分です。
今回の行田巡業は来年行田市が市制施行70年を迎えることから、冠名に「市制施行70周年」を付けることが決まっていました。その後、後援していただくことになった行田市体育協会からの依頼もあり、「体育協会創立70周年」も記載することになりました。
この冠名については、事前に時間的な余裕がありましたので、ポスターの校正データ作りに影響を与えることはありませんでした。
問題は、校正データを仕上げなければならない前日になって急遽後援団体が増え、その団体名をポスターに記載する必要が生じたため、本当にギリギリのタイミングになってから印刷会社の担当の方に連絡することになりました。
この件については担当の方を振り回してしまうことになり、申し訳なかったと反省しています。
納品までに掛かる日数
このようにして校正データが完成すると、いよいよ印刷にとりかかってもらうことになります。
そして、制作開始から約1週間ほどでポスターが完成し、勧進元が指定した場所に納品してもらうことになります。
今回は体育の日を含んだ連休を挟むことになりましたので、納期は若干遅くなるかもしれませんが、完成した行田場所のポスターを最初に見ることができるのは勧進元ならではの喜びになるんだろうなとワクワクしています。
この後、契約担当の親方と実行委員会の委員長(わたしではありません)が行田市の工藤市長を表敬訪問して行田場所の開催決定の報告をすることになっているのですが、その時までにポスターが完成していればポスターを背景にした訪問時の様子を撮影することが可能になります。
なんとか間に合ってほしいなと願うばかりです。
ポスターの配布先
前述しましたように基本的に用意するポスターの枚数は350枚です。
この数が多いのか少ないのかは現時点ではハッキリ分かりません(笑)
ただ、ありがたいことにすでに自治体を含む後援団体や行田場所の協賛企業などからポスターを貼っていただけるという話を多数いただいています。
ポスターが納品されるまでの間に配布先と枚数を実行委員会で話し合って決めることになるのですが、恐らく余ることはないのではと思います。
となると、当日来場されるお客様をはじめとしたファンの方にポスターを配布することは難しいかもしれないですね。
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